- 2024.03.28
- 屋根塗装
モニエル瓦とは|特徴・劣化症状とメンテナンスの注意点3つを全解説
通りかかった訪問業者に
「お宅の屋根はモニエル瓦だから塗装しないとダメですよ。」と言われたけど…
「そもそもモニエル瓦って何?」
「いい屋根なの?悪い屋根なの?」
「瓦屋根なのに塗装しなきゃいけないの?」
と分からないことが多く調べているのではないでしょうか。
モニエル瓦とは乾式コンクリート瓦とも呼ばれる、おしゃれなデザインの瓦です。
しかし年数が経つと劣化症状が出てメンテナンスが必要になります。
この記事では、モニエル瓦の特徴と、築10年前後で現れる劣化症状についてご紹介していきます。
また、塗装メンテナンスの費用相場や失敗しないための注意点、塗料選びについても解説していきますので、正しいメンテナンス方法で長持ちさせていきましょう。
記事の後半では、塗装メンテナンスを依頼する際の業者選びについてもご紹介します。
この記事を読めば、ご自宅のモニエル瓦を正しいメンテナンス方法で綺麗に長持ちさせる事ができますのでぜひ最後までご覧ください!
目次[非表示]
モニエル瓦とは
機能:耐震性・断熱性が高い
デザイン:着色スラリーにより色彩豊か
塗装が必要!築10年前後で見られる劣化の兆候
色あせ
カビ・コケ
ひび割れ、欠落
モニエル瓦塗装の費用相場
モニエル瓦の塗装で失敗しないための注意事項3点
高圧洗浄で“スラリー層”の除去が必要
モニエル瓦専用塗料が必要
築後10~15年までの塗装がおすすめ
厳選!モニエル瓦用おすすめ塗料2選
モニエル専用と言えばこれ!スラリー洋瓦用シーラー
お得に工事したい方向け!ハイルーフマイルドフッ素
最適なメンテナンスをしてくれる業者選び3つのコツ
詳細に屋根点検をしてくれる
モニエル瓦の施工実績がある
工事中の様子を写真報告してくれる
まとめ
モニエル瓦とは
「モニエル瓦」は、セメント瓦の一種で、正式には「乾式コンクリート瓦」とも呼ばれます。
別名としては「乾式洋瓦」もあります。
もともとは「旧:日本モニエル株式会社(ラファージュルーフィング株式会社)」が販売していた屋根材の商品名でしたが、普及が進み、業界ではこのタイプの屋根材の代名詞となりました。
しかし、現在ではメーカーが解散し、製造は行われていません。
モニエル瓦の特徴は、機能面とデザイン面が優れている点です。詳しく解説していきます。
機能:耐震性・断熱性が高い
モニエル瓦は、主成分がセメントと砂のため、日本の伝統的な粘土瓦に比べて軽量です。
これにより、耐震性や断熱性に優れた高性能な建材となっています。
ただし、セメントは水分吸収に弱いため、モニエル瓦も防水塗装が必要です。
塗装メンテナンスをすることで、40~50年以上の耐久性を発揮します。
デザイン:着色スラリーにより色彩豊か
モニエル瓦は、デザインがとてもおしゃれです。様々な形や色があります。
一番の特徴は、その色です。
「着色スラリー」という塗材を表面に使用しており、これが通常のセメント瓦とは違う「スラリー層」を作っています。
モニエル瓦の塗装メンテナンスではこのスラリー層に気をつけなければいけません。
4章で詳しくお話しします。
塗装が必要!築10年前後で見られる劣化の兆候
モニエル瓦は、築10年前後で塗装が必要です。
新築時の塗膜は紫外線や風雨によって劣化し、この時期になると屋根材が傷んでくるからです。
遅くても15年頃までには塗装することをおすすめします。
10年ほどで現れ始める代表的な劣化症状を解説します。
これらの兆候が一つでも当てはまれば、塗装メンテナンスの時期です。
ハウスメーカーや専門業者の点検時にチェックしてもらいましょう。
なお、屋根に自分で上るのは危険ですので、必ず専門業者に見てもらってください。
色あせ
モニエル瓦の表面が色あせて、くすんで見えます。
新築時は綺麗に色づいていたはずですが、日々の紫外線や風雨により、着色スラリー層が弱って、色が抜けてきている状態です。劣化の初期症状と言えます。
遠目に屋根が見えたとき、色あせたように見えたら、専門業者に点検してもらいましょう。
カビ・コケ
モニエル瓦の表面にある、黄色~茶色っぽいブツブツの正体は、コケやカビです。
モニエル瓦が水分を含んでジメジメした状態になると、カビやコケの胞子が付着して、根付いてしまうのです。表面の防水性が切れてしまっている証拠です。
カビ、コケは瓦の内部に根っこを張っていくため、モニエルの主成分であるセメント自体をもろくしてしまいます。
繁殖するとひび割れやすくなり、耐久性も落ちますので、見つけたらすぐ塗装を検討しましょう。
ひび割れ、欠落
厚みがあるモニエル瓦も、経年劣化でひび割れてしまいます。
セメントは水を吸うと膨張し、乾くと収縮するためです。
塗装の防水性が切れてからしばらく経っている状態です。
放っておくとひびは広がり、やがて欠落も起こってきます。
万が一、お庭やベランダに破片が落ちてきては大変ですので、早急に塗装業者に問い合わせ、塗装メンテナンスを検討しましょう。
モニエル瓦塗装の費用相場
モニエル瓦の塗装工事は、40万~80万円ほどの相場です(洗浄や足場代も含め)。
実際の金額は屋根の大きさや、塗料のグレードにもよって変わってきます。
必ず屋根の状態を点検してもらったうえで見積もりを出してもらいましょう。
見積書には、「スラリー層の除去」がきちんと含まれていることを確認してください。
モニエル瓦の塗装で失敗しないための注意事項3点
モニエル瓦の塗装メンテナンスでは、次の3つの注意事項に気を付けることが大切です。
これらを無視すると、塗装が不十分になり、結果的にもっとお金がかかる屋根修理が必要になってしまいます。
モニエル瓦独特のポイントをしっかり理解し、適切なメンテナンスを実施しましょう。
高圧洗浄で“スラリー層”の除去が必要
モニエル瓦の塗装前には、高圧洗浄で表面のスラリー層をしっかりと取り除くことが必要です。
スラリー層が残ったままでは、塗装が剥がれやすくなるためです。
高圧洗浄は十分に行い、残留したスラリーは手作業で丁寧に取り除きましょう。
工事中には、業者に洗浄時の写真を撮ってもらうよう伝えると、作業の品質を確認できて安心です。
モニエル瓦専用塗料が必要
モニエル瓦の塗装には、「モニエル瓦適用」の下塗り塗料を使用することが不可欠です。
下塗り塗料は、通常の3回塗りの最初に使われ、瓦との接着剤として機能します。
不適切な下塗り材を使用すると、塗料が剥がれたりする可能性があるため、慎重に選ぶことが重要です。
モニエル瓦に使える塗料かどうかは、カタログを確認しましょう。
築後10~15年までの塗装がおすすめ
モニエル瓦は、築10年程度での塗装が理想的です。
この時期になると初回の塗装の効果が切れ、劣化が進む可能性があります。
遅くとも15年ほどでの塗装が望ましいです。
モニエル瓦は現在製造・販売が終了しており、同じ瓦を手に入れることが難しいため、割れてしまうと瓦交換ができないことが多いです。
ひび割れや欠落が起こる前に、早めの塗装メンテナンスをしましょう。
厳選!モニエル瓦用おすすめ塗料2選
前章でお伝えしたように、モニエル瓦に適した塗料は限られています。
中でも特におすすめの製品をご紹介します。
モニエル専用と言えばこれ!スラリー洋瓦用シーラー
スラリー洋瓦用シーラー(水谷ペイント)は、その名の通り、スラリー層を持つモニエル瓦のために開発された専用下塗り塗料です。
経年劣化で弱ったスラリー層が、塗装の剥がれの原因にならないように、しっかりと固めてガードしてくれます。
水谷ペイントは、特に屋根用塗料の技術力が高いメーカーとして有名です。
この塗料も2001年の販売開始以降、モニエル瓦の塗り替えに広く使われ続けています。
実績の多い、まず安心できる塗料を選びたい方はこちらがおすすめです。
※一般的に下塗りは1回ですが、この塗料は2回塗りを推奨しています。
工期が1日増える・塗料代がかかる等、費用が少し高くなる場合があります。
お得に工事したい方向け!ハイルーフマイルドフッ素
ハイルーフマイルドフッ素(大同塗料)は、通常の塗装が3回塗りであるのに対し、2回塗りでしっかり仕上がる、という画期的な塗料です。
しかも、あらゆる素材に対応できる高い密着性が特徴です。
モニエル瓦、薄型スレート瓦、金属屋根はもちろん、これまで塗装は不向きとされていた陶器瓦にも使えるという高性能な塗料です。
お客様にとっては、2回塗りなので工期も短くなり、使う塗料の量自体も減るので、人件費・塗料代のコストカットになります。
業者にとっても、あらゆる屋根材に使えるため在庫を抱えるリスクがなくなり、廃棄も減って環境に良い塗料です。
お得に工事をしたいという方は、こちらの塗料がおすすめです。
最適なメンテナンスをしてくれる業者選び3つのコツ
モニエル瓦のメンテナンスには、施工業者の知識と経験が極めて重要です。
通常の屋根よりも多くの注意点が存在するためです。
お手入れをしても、不適切な業者に依頼すると追加の費用、見た目の悪化などトラブルが発生しかねません。
そこで、業者を選ぶ際の3つのコツをご紹介します。
これらのポイントは点検や見積もりの際に確認できますので、ぜひ活用してください。
詳細に屋根点検をしてくれる
モニエル瓦の場合、見積もり前の点検は非常に重要です。
実際に屋根に上るか、性能の高いドローンや高所カメラを使用して20枚以上の写真を撮ってくれる業者が安心です。
なぜなら、正確な確認がなければ、屋根材を間違えて見積もりを出す可能性があるからです。
モニエル瓦は遠くから見ると他のセメント瓦と似ているため、塗料選びにも注意が必要です。
事前の詳細な点検が重要です。
また、ひび割れや欠けがある場合は別途補修が必要です。
補修を怠ると同じ箇所から再び割れる可能性があるため、丁寧な点検が必要です。
素材や劣化状態を確認してから見積もりを作ってもらいましょう。
モニエル瓦の施工実績がある
見積もりを取る際には、「モニエル瓦の施工実績を見せてください」と伝えましょう。
実際に工事を行った経験があるか確認することが大切です。
件数だけでなく、実績写真を確認することで信頼性が高まります。
近隣で工事したお家があれば、仕上がりを見て安心できます。
工事の知識と経験を確認するためにも、施工写真を見せてもらいましょう。
工事中の様子を写真報告してくれる
屋根の上の工事は目で確認することが難しいため、工事中の写真報告があると安心です。
最終的な仕上がりだけでなく、途中の作業の進捗状況や下塗りの際の写真も撮ってもらいましょう。
モニエル瓦の場合、下塗り作業は特に重要ですが、塗り終わった後では確認が難しいため工事中の写真が役立ちます。
これにより、見えない場所で手抜きがないか確認でき、業者が信頼できるか判断できます。
写真は後にも残りますので、工事終了後でもまとめて入手するようにしましょう。
まとめ
モニエル瓦は非常に優れた屋根材で、塗装することで長持ちします。
劣化症状などをチェックして、適切なタイミングで塗装工事をしてあげましょう。
塗装の際は、スラリー層の処理など注意点もあります。
失敗しないためにも、実績のある業者を選ぶようにしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。