- 2024.06.27
- 屋根塗装
屋根塗装は足場なしでは絶対NG!必須の理由とお得な工事10の方法
屋根の塗装をお考えのあなた。
実際に見積もりを取ったら足場費用が高く、「足場なしで塗装できないかな?」と調べているのではないでしょうか。
結論から言ってしまうと屋根塗装では足場架設は必須です。
足場がないと丁寧な作業が出来ず数年で不具合に繋がってしまいますし、なにより危険が伴います。
この記事では、屋根塗装に足場が必要な理由を3つ詳しく解説していきます。
ただ、やはり屋根塗装は安い工事ではないので、費用をおさえたいという気持ちも強いかと思います。
そこで屋根塗装をお得にするコツもご紹介しますのでぜひ参考にしてみて下さい。
記事の後半では、屋根塗装を高品質なものにするために削ってはいけない項目や費用対効果を高める方法を解説していきます。
この記事を読めば足場の大切さや適切な工事のポイントが分かり、後悔のない塗装工事にする事ができますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
屋根塗装が足場なしではできない3つの理由
安全確保のため、労働安全衛生規則で規定がある
近隣に水、塗料が飛散してしまう
不安定な中の作業で品質が落ちる
お得に屋根塗装するコツ
事前点検を詳細にしてもらい追加工事を防ぐ
外壁を一緒に塗装する
耐用年数の長い塗料でコスパを良くする
安くても削ってはダメ!屋根塗装の必須4項目
足場の種類は「ビケ足場」。「単管足場」はNG!
角度が急な屋根の「屋根足場」
スレート屋根の「タスペーサー・縁切り」
棟板金、棟瓦の「釘打ち、コーキング」
費用対効果の高い屋根塗装にする方法
工事中の写真を毎日撮ってもらう
使った塗料量を記録してもらう
工事後も3~5年ごとに屋根点検する
まとめ
屋根塗装が足場なしではできない3つの理由
屋根塗装には、足場が必須です。
なぜなら、屋根塗装のときに足場がないと、
・安全確保のため、労働安全衛生規則で規定がある
・近隣に水、塗料が飛散してしまう
・不安定な中の作業で品質が落ちる
という理由があるからです。
安く工事しようとしたら重大なトラブルが発生してしまった…ということは絶対に避けたいですよね。
それぞれを説明します。
安全確保のため、労働安全衛生規則で規定がある
屋根塗装をする際には、足場を設置することが義務付けられています。
厚生労働省が定める労働安全衛生法の「労働安全衛生規則」によれば、高さ2メートル以上の場所での作業には安全な足場が必要です。これは作業者の安全を確保するためです。
たとえば、一般的な2階建ての住宅の屋根は6~8メートルの高さになります。
このような高所で、足元は屋根の勾配があり、さらに重たい塗料缶を持ちながらの作業ですから、大変危険なのはお分かりいただけると思います。
作業中に足を滑らせると、重大な事故につながりかねません。
足場があれば、万が一足が滑っても、落下する前に掴む場所があります。
また、足場に張られたメッシュシートは落下防止の役割も果たします。
工事を安くしたい気持ちもあると思いますが、作業員の安全には代えられません。
(また、法令を守らない塗装会社が本当にいい工事をしてくれるのか?ということでもあります。)
正しく足場を設置して、安全な屋根塗装を行うようにしてください。
近隣に水、塗料が飛散してしまう
塗装作業を足場なしで行うと、近隣トラブルの可能性が高まります。
なぜなら、塗装作業には必ず高圧洗浄が必要で、その際に水しぶきが周囲に飛び散るからです。
また、塗装中にはハケやローラーで塗料を手作業で塗るため、塗料が飛散することも避けられません。
足場なしで塗装をすると、このような水や塗料で近隣の建物や車を汚してしまう可能性があり、大きなトラブルに発展することもあります。
足場を設置すれば、その周りに張るメッシュシートが水や塗料の飛散を防ぐ役割を果たしてくれます。
長期間快適に住むためにも、ご近所トラブルは避けたいものです。
安心して工事を進めるためにも、必ず足場を設置しましょう。
不安定な中の作業で品質が落ちる
屋根塗装を足場なしで行うと、品質が著しく低下する可能性があります。
なぜなら、高くて傾斜のある屋根の上では、職人は身の安全を確保することに集中し、作業に集中できなくなるからです。
その結果、塗装にムラが生じたり、届きにくい箇所を手抜きしたりするリスクが高まります。
また、屋根の上では強風が吹く可能性も考えられます。
そのような状況下で完璧な作業を行うことは難しいため、どんなに経験豊富なベテラン職人でも限界があります。
せっかく塗装をしたにも関わらず、施工不良が起きて数年後に再度工事になったら、費用と時間が無駄になってしまいますよね。
良質な工事を求めるなら、必ず足場を設置することが重要です。
お得に屋根塗装するコツ
足場をなくして工事費を下げるのは難しいことがお分かりいただけたと思います。
ここでは、安全にお得な工事をする他の方法を3つご紹介します。
ぜひ実践してみてくださいね。
事前点検を詳細にしてもらい追加工事を防ぐ
屋根塗装をする際は、見積もり段階で細かく点検してもらいましょう。
なぜなら、屋根の状態を事前に把握することで、追加費用のリスクを減らすことができるからです。
ただ塗るだけの作業だと考えがちですが、屋根は雨風のダメージを受けやすく、通常は目に見えない部分です。
工事が始まってから実際に屋根を見てみると、塗料だけでは修復できない箇所があることがあり、追加工事が必要になるケースが多いのです。
さらに、追加工事はたいてい業者の提示する価格になりがちです。
工事が始まったあとでは他の業者の見積もりを取ることが難しく、価格交渉もしにくいからです。
結果として、相場より高い金額で工事をすることになる可能性もあります。
これを避けるためにも、見積もり段階での詳細な点検で追加工事の可能性を減らしておきましょう。
■追加工事の例①割れた屋根の差し替え工事
10,000~30,000円/1枚当たり
小さなひび割れならコーキングなどの補修材で対応できますが、大きな割れ・欠けの場合は屋根瓦の差し替えが必要になることがあります。
工事前に屋根点検をしていないと、工事が始まってから気づくことになるので、そうならないようにしましょう。
■追加工事の例②棟板金の交換工事
7,000~12,000円/1m当たり
棟板金とは、屋根の頂上にある鉄板です。
経年劣化や強風などによって棟板金が浮いたりめくれたりすることがあります。
屋根の頂上は地上からだとなかなか見えないので、特に点検が重要なポイントです。
このように、屋根は実際に登ってみないと分からないことが多いです。
事前にしっかり点検して適正な見積を貰い、追加費用での損失を防ぎましょう。
外壁を一緒に塗装する
屋根塗装をするときは、外壁塗装もセットで行うとお得になります。
え、そんなこと?と思うかもしれませんが、これは非常に大きいです。
なぜなら、10~20万円もする足場が1回で済むからです。
外壁塗装も高所作業なので、足場は必須になります。
どのみち足場を建てるなら、2回にわけるより1回にしたほうが断然お得なのです。
外壁はそんなに気になっていないんだけど…と思う方も、ほとんどのお家は外壁も近い将来メンテナンスは必要になるので、トータルコストを安くするためにも一緒に工事をしましょう。
耐用年数の長い塗料でコスパを良くする
屋根の塗料を選ぶ際は、耐久性が高いフッ素や無機塗料を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、長期的に見てコストパフォーマンスが優れているからです。
初期費用は他の塗料よりも高くなるかもしれませんが、塗り替えの回数が減るため、結果的には経済的になります。
耐久年数が長い塗料を選ぶことで、お得でかしこい工事を実現しましょう。
安くても削ってはダメ!屋根塗装の必須4項目
足場と同じように、屋根塗装では決して削ってはいけない作業というものがあります。
それは、
・足場の種類は「ビケ足場」を選ぶこと
・角度が急な屋根は「屋根足場」をつけること
・スレート屋根の「タスペーサー・縁切り」
・棟の「釘打ち、コーキング」
の4点です。
どれも省略すると、重大な事故や品質低下、最悪の場合は塗装したのに雨漏りした!という事態につながってしまいます。
そもそも、業者がきちんと細かい知識があって、この項目も見積もりに入っているのか、チェックしましょう。
それぞれ解説していきます。
足場の種類は「ビケ足場」。「単管足場」はNG!
屋根、外壁塗装のときは、必ず「ビケ足場(くさび式足場)」を使用してください。
「単管足場」という簡易的な足場はNGです。
単管足場は安いですが、法令の基準を満たしていないうえ、不安定で危険だからです。
「足場代安くしますよ!」などと言われた場合には、「それってビケ足場ですよね?」と一言確認しておきましょう。
単管足場 |
・2本のパイプを抱き合わせて作る足場。 ・塗装職人などでも自分で組み立てることが可能。 ・自分たちで組み立てられる分割安にできる。 ・足元に常に注意しなければいけないため、細かい作業には向いていない。 |
ビケ足場 (くさび式足場) |
・歩ける幅の床がついている足場。 ・足場専門業者でないと組み立てられない。 ・塗装会社は基本的に、提携している専門業者に組んでもらっている。 ・余裕を持って動け、重い塗料を置いたりもできるため、丁寧で効率の良い作業ができる。 |
角度が急な屋根の「屋根足場」
屋根の勾配が急なときは、追加で「屋根足場」というものが必要になります。
これも絶対に省略しないようにしましょう。
屋根足場は、急傾斜の屋根でも安全に作業をするために設置します。
これがないと一層危険なので、事故が起こらないよう必ず使用しましょう。
※屋根足場は、5~6寸勾配以上の屋根に使用されることが多いです。
スレート屋根の「タスペーサー・縁切り」
スレート屋根塗装のときは、「タスペーサー挿入」または「縁切り」という作業も必ず行ってもらいましょう。
なぜなら、この作業をしないとあとで雨漏れを起こす可能性があるからです。
スレート屋根は本来、水が裏から抜ける仕組みになっています。
しかし塗装で屋根同士がすべてくっついてしまうと、水の抜け道がなくなり、裏側にたまって、屋根裏に水が浸入してしまうことがあるのです。
タスペーサーや縁切りは、塗装後も水の抜け道を確保するための作業です。
せっかく塗装したのに数年後に雨漏りした…とならないためにも、この作業は必ず実施してもらいましょう。
棟板金、棟瓦の「釘打ち、コーキング」
屋根塗装では「棟板金の釘打ち・コーキング処理」や「棟瓦のビス締め」といった作業も見積もりに確実に入っているかチェックしましょう。
この作業を省略すると、最悪の場合、台風などで棟が飛ばされるという被害に遭う可能性があるからです。
スレート屋根の場合、屋根の頂上にある棟板金は釘で固定されています。
釘は板金の熱膨張によって、7~10年ほどすると浮いてくるので、板金の固定が弱まってしまいます。
塗装の時に釘を打ちなおしてあげること、また釘の隙間から水が入りにくくなるようコーキング処理をしてあげることが重要です。
ビスで固定されている棟瓦の場合も同様に、経年劣化でゆるんでいる可能性があるので、締めなおしてもらいましょう。
小さなことですが、とても大切な作業です。
きちんと見積もりに入っているか確認しておきましょう。
費用対効果の高い屋根塗装にする方法
屋根塗装をするなら、同じ金額でもより品質の高い工事をしてもらうほうがいいですよね。
最後に、より費用対効果の高い工事にするためのポイントを3つご紹介します。
工事中の写真を毎日撮ってもらう
屋根塗装は、工事中の写真を撮ってもらえる業者にお願いしましょう。
作業の様子は自分で確認することが難しいからです。
これにより、見えない部分での手抜きや問題がないかを確認することができます。
また、写真は業者がきちんとした仕事をしている証拠にもなります。
忙しくて毎日現場を確認することができなくても、後で写真をチェックすることで安心です。
工事が終了した後でも、工事中の写真をまとめてもらうようにしましょう。
【注意!】足場は非常に危険ですので、絶対に自分で登らないようにしてください!
使った塗料量を記録してもらう
塗装は、定められた適正な量を使って初めてその性能が発揮されます。
ですので、屋根塗装で使用した塗料の量をきちんと守っている業者かどうか確認しましょう。
塗料は水またはシンナーで薄めて使うのですが、稀に、わざと大量の水で薄めて塗料の発注量を減らし、コストを浮かせるという悪徳業者がいます。
薄めすぎてしまったらせっかくの良い塗料も性能が下がります。
ただしく塗料を使っているのか、写真や書類で記録をとっているような業者を選ぶと安心です。
工事後も3~5年ごとに屋根点検する
屋根は塗装後も定期的に点検してもらいましょう。
なぜなら、台風などの災害の影響をうける可能性は常にあるからです。
せっかく良い工事をしても、災害で屋根が破損してしまったらすぐ直さなければ、そこから劣化が進んでしまいます。
工事後のアフターサービスとして無料点検をしているところなど、長い付き合いができる業者を選びましょう。
まとめ
屋根塗装を足場なしで行うのは絶対にNGです。
その大きな理由は、以下の3点です。
・安全確保のため、労働安全衛生規則で規定がある
・近隣に水、塗料が飛散してしまう
・不安定な中の作業で品質が落ちる
他の方法でお得に屋根塗装するポイントはこちらです
・事前点検を詳細にしてもらう
・外壁を一緒に塗装する
・耐用年数の長い塗料でコスパを良くする
また、安くしようと思っても以下の4点は絶対に削減しないでください。
重大なトラブルや将来の雨漏りを招いてしまいます。
・足場の種類は「ビケ足場」。「単管足場」はNG!
・角度が急な屋根の「屋根足場」
・スレート屋根の「タスペーサー・縁切り」
・棟板金、棟瓦の「釘打ち、コーキング」
費用対効果の高い屋根塗装にするためには、以下のポイントをおさえた業者に工事を依頼してください。
・工事中の写真を毎日撮ってもらう
・使った塗料量を記録してもらう
・工事後も3~5年ごとに屋根点検する
大切なお家の屋根塗装工事を良い工事にするために、ぜひ実践してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。