- 2024.04.05
- 屋根リフォーム
“棟板金”は飛散に注意!主な役割と3つの補修工事・費用を完全解説
台風や強風でよくある被害が “棟板金(むねばんきん)”の飛散です。
そもそも“棟板金”が何か分からない方やなぜ飛んでしまうのか気になる方も多いかと思います。
棟板金とは、スレート屋根や金属屋根によく見られる屋根の部材のことです。
家の内部に雨水を入れないためのとても重要な部材ですが、認知度は低くあまり重要視されていません。
そこでこの記事では、棟板金の重要な役割や構造についてご紹介します。
また、この棟板金が飛んでしまう原因についても分かりやすく解説します。
原因を知っておくことで、飛散の可能性を下げることもできますので目を通しておきましょう。
記事の後半では、棟板金の補修工事と費用相場をご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
棟板金を正しくメンテナンスして、台風被害や雨漏りを予防していきましょう!
目次[非表示]
※点検商法、詐欺被害に注意※
近年、突然訪ねてきて「屋根の釘が抜けている」「点検しますよ」などと言って嘘の点検結果を報告したり、わざと屋根を壊したりして、高額な修理費を請求するような悪質な業者が、全国各地で報告されています。
屋根の細かいところは、地上から見えることは滅多にありません。知らない業者は絶対に屋根に上らせないようご注意ください。
ただ、屋根の釘が抜けてくること自体は、あらゆるお家で実際に起こる可能性があります。
本記事でも屋根の劣化や修理について具体的に解説します。
正しい知識を身に付けて、被害から身を守りましょう。
棟板金(むねばんきん)とは
棟板金とは、屋根の頂点にある板金の部分を指します。
スレートやコロニアル・カラーベスト・金属屋根などの屋根に使用されています。
昔はトタンが使用されており、錆が発生することがありましたが、現在は錆びにくいガルバリウム鋼板が主流です。
屋根の構造としては、下から葺き上げた屋根材の頂点を貫板(ぬきいた)と呼ばれる板でおさえ、そこに棟板金を被せて、屋根の中に水が入らないようにしています。
棟板金は横から釘を打ち込んで固定しています。
注意しなければならないのが、この「釘」です。
次章から詳しく解説していきます。
築7~10年で「棟板金の釘」が抜けてくる!
棟板金の釘は、新築後7~10年ほどすると、少しずつ抜けてきてしまいます。
施工不良を疑うかもしれませんが、実はこれは自然現象による経年劣化で、どんなお家でも起こり得るものなのです。
具体的なメカニズムをご説明します。
釘が抜ける原因は“熱膨張”
棟板金の釘が抜ける原因は、金属の「熱膨張」という現象です。
金属は、熱で温まると膨らみ、冷えると縮む性質があります。
棟板金は日中に太陽光で熱せられたときに膨らんで、釘を少し押し出します。
夜に涼しくなると棟板金は元に戻るのですが、このとき釘は一緒に戻ってきません。
この膨張と収縮を毎日毎日、何年間も繰り返していくうちに、釘が浮いてきてしまうのです。
そのため、築7年以上のお家は、一度専門業者に屋根を見てもらうことをおすすめします。
棟板金の釘抜けを早期に発見し、補修を行うことができます。
釘が抜けたことで起こる劣化症状
たかが釘が抜けたくらい……、と感じる方もいるかもしれませんが、棟板金の釘浮きは放置すると重大な被害を招きます。
どんなことが起きるのか、写真を使ってご説明します。
①貫板の腐食
抜けた釘の釘穴の隙間から、雨水が伝って中の貫板を腐らせてしまいます。
貫板が腐ると釘が効かなくなるので、貫板ごと棟板金の交換が必要になります。
②棟板金の飛散
釘が浮いた状態は、棟板金が十分に固定されていないということです。
そうすると、強風で棟板金が飛ばされてしまう危険性があります。
棟板金は薄い鉄板ですから、風に煽られると数十メートル先まで飛んでいきますし、金属なので鋭利です。
万が一人や物にぶつかると、大変な被害になってしまいます。
また、棟板金が無くなると貫板や屋根の内部に水が入ってしまうので、雨漏りを起こすこともあります。
大きな被害を出さないためにも、棟板金の釘の異常はすぐに手当てを行いましょう。
▼棟板金の飛散の応急処置
台風の時には棟板金が飛ばされる被害が急増します。
修繕工事ができるまで期間が空いてしまうときは、ブルーシートなどで応急処置をしてもらいましょう。
補修方法と費用相場
棟板金の補修方法と費用相場をご紹介します。
屋根の工事であるため、基本的には足場代も別途必要になります。
緊急で補修が必要でない限りは、外壁塗装・屋根塗装も一緒に行うと、足場代の節約になりお得です。
塗装工事のときは、棟板金もきちんと点検してもらいましょう。
釘打ちコーキング=15,000~40,000円/一棟
浮いている釘を打ち込んだあと、コーキング材で釘頭を押さえる処理を行います。
こうすることで、熱膨張が起こっても釘が抜けにくく、また水が入りにくくなります。
■費用:1.5万~4万円程度/一棟あたり
■工事の流れ
①抜けている釘を金槌で打ち込む
(完全に抜けている場合は新しいステンレス製釘を打ち込む)
②釘頭をコーキング処理する
棟板金交換=7,000~12,000円/m
棟板金が歪んでいる場合や貫板が腐食している場合は、交換工事を行います。
既存の貫板と棟板金を撤去して、新しいものを設置する工事です。
■費用:7,000~12,000円/m
■工事の流れ
①既存の棟板金・貫板を撤去処分する
②新しい貫板を設置する
新築時は木材の貫板が多いですが、交換時は腐らない樹脂製の貫板にすることも可能です。
③新しい棟板金を被せ、釘で固定する
④釘頭をコーキング処理する⇒完了!
★天災による被害は火災保険を活用してお得に工事!
台風などの強風で棟板金が飛んでいってしまったときは火災保険が適応される場合があります。
火災保険が活用できれば工事もお得にすることが出来ますので、まずは保険会社に確認してみましょう。
【申請の流れ】
①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く。
②申請書類を送ってもらう。
③屋根工事の業者から「被害写真」「見積書」をもらう。
④申請書類をご自身で記入する。
※保険代行業者というものもありますが、費用が掛かります。書類は難しいものではないので、ご自身での記入、申請をおすすめします。
⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。
⑥保険金の確定、入金
※工事費用が20万円以下の場合は適応されていないケースもあります。保険会社によって適応条件が異なりますので、加入されている保険会社に確認しましょう。
築7年を過ぎたら屋根点検で釘の状態を確認!
築7~10年が経過したら、屋根の点検を専門業者に依頼して、釘の状態を確認しましょう。
屋根は目に見えない場所であり、釘の抜け具合は自己点検ではなかなか気づきにくいです。
釘が抜けたまま放置しておくと、貫板の腐食や棟板金の飛散などの問題を引き起こし、修繕費用がかさんでしまいます。
早めの対処が重要ですので、プロによる点検を通じて問題を把握しましょう。
釘が抜けている場合は、釘打ちコーキング工事などの適切な補修を行うことが必要です。
棟板金の点検はユーコーコミュニティーへ!
築7年以上のスレート(コロニアル)屋根・金属屋根の方は、私たちユーコーコミュニティーへ点検をご依頼ください。
東京・神奈川で施工実績18,000件の塗装リフォーム会社です。
私たちの点検は、ただ棟板金の状態を見るだけでなく、屋根全体の劣化も一緒に確認し、写真を撮ってお渡しいたします。▼
屋根の状態はご自身で見ることが出来ない場所なので、写真を撮らない業者だと「本当に釘抜けているの?」と心配な方もいらっしゃると思います。
ユーコーでは、状態が分かる細かい写真をお渡しするので、ご自身の目で確認いただけて安心です。
また、屋根に登ってわざと釘を抜くのでは?と不安な方にはドローン点検も実施可能です。
ぜひお気軽にユーコーコミュニティーにご相談ください!
まとめ
いかがでしたか。
棟板金とは、屋根の頂上にある鉄板で、築7年ほど経つと経年劣化で釘が浮いてきます。
棟板金の釘を放っておくと、水が浸入して内部を腐朽させたり、強風で飛ばされたりしてしまいます。
大きな被害につながりかねない劣化症状ですので、棟板金に異常がみられたらすぐに補修を検討しましょう。
釘打ちコーキングのみであれば15,000~40,000円程度、
棟板金交換になると1mあたり7,000~12,000円+足場代の費用がかかります。
高額な工事になる前に、屋根点検で早期発見できるとベストです。
棟板金の異常を見逃さず、お家を長持ちさせてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。