- 2024.05.01
- 外壁塗装
自宅の外壁塗装面積がわかる!プロ版・簡易版の計算方法と坪別早見表
塗装工事は塗る面積で金額も変わりますから、我が家の具体的な数字を知っておきたい方も多いですよね。
外壁塗装の面積は簡単に言えば、“外壁全体から、窓などの塗らない部分を抜いた面積”となります。
図面を使ったり、実際に外壁を測ったりすることで算出できます。
ただ、お家はとても大きいものですから、正確な数字を出すのは非常に根気がいる作業です。
そこで本記事では、
①できる限り正確な、図面を使った面積算出方法
②誰でも簡単にできる、概算面積の出し方
③坪数ごとの平均的な面積早見表
をそれぞれご用意しました。
計算の手間やどこまで正確にやりたいかで、ご自身に合うものを選んでお読みください。
この記事をお読みいただくことで、業者の見積書の数字が正しいかどうか、また万一気になった場合にどうすればいいかが分かるようになります。
より正確できちんとした施工業者に塗装を任せられるように、最後までしっかりご覧ください
目次[非表示]
[はじめに]
外壁の塗装面積は、「外壁で塗る必要のある面積」です。
単に坪や延床面積からでは正確な面積は算出できません。
2階建て・3階建てなど建物の構造や、窓の数などによって、塗る面積は変わるからです。
よく「30坪の家でこの塗り面積は妥当か?」と相談されることもありますが、坪数だけではお答えできないというのが事実です。
外壁塗装の面積を把握する方法には3つあります
①実際にメジャーなどで家を計測し、面積を計算する方法。
②家の図面を使用して面積を計算する方法。
③延べ床面積から概算の面積を算出する方法。
1つ目は手軽で自分で試せるものの、やや概算になります。
2つ目の方法は正確で、プロも使用する手法ですが、図面の理解が必要です。
3つ目は最も手軽ですが、あくまで目安・ざっくりとした数字となります。
この記事では、これらの計算方法を詳しく解説します。
自身の要望に合わせて、どの方法にするか選び、実践してみてください。
[簡易版]外周×高さで出す方法
図面が無い場合は実測して算出します。
ただ、壁の高さや2階の窓などは測るのが難しいので、ここでは皆さんでも簡単にできるように、外周だけで概算を出す方法を紹介します。
①メジャーなどを使い、お家の外壁の外周を計測する ②【外周×高さ×0.85】を計算する ※高さ…一般的な2階建て住宅:6.25m、3階建て住宅:9.5m |
例:外周が30mの2階建てのお家の場合
30×6.25×0.85=159.3
ということで、159.3㎡が塗装面積の概算ということになります。
※実際には、1階と2階の面積の違いや窓の量などによって変わります。
あくまで概算ということをご了承ください。
[詳細版]図面から計算する正確な方法
続いては、図面から計算する方法です。
慣れない人には非常に難しいかもしれませんが、どうしても正確に面積を出したいという方はチャレンジしてみてください。
【必要なもの】
・立面図
・平面図
・三角スケール
・電卓
【計算の流れ】
① 平面図から外周の長さを出す
② 立面図から高さを出す
③ それぞれの階数の面積を出す
④ 塗装しない部分の面積を出す
⑤ 全体の面積から、塗装しない面積を引く
⑥ ベランダ・バルコニー面の塗装面積を出す
⑦ 全体面積にバルコニー部分をプラスして、完了
図を元に解説していきますので、頑張ってください。
① 平面図から外周の長さを出す
まずは平面図を使って、各階ごとの外周を出しましょう。
寸法は図内の赤い数字のように四方向に表記してあります。
外周にあたる、黄色い部分の数字を合計します。
この図は1階外周=35mでした。
バルコニーがあるときは、バルコニーの外壁は含めないで、お家本体の外周を出すようにしてください。
バルコニーは壁の高さが違うので、あとで別で計算します。
この図は2階外周=37mでした。
平面図の周りに寸法の数字が見当たらない場合は、三角スケールを使って長さを測りましょう。
※スケールを使う場合、縮尺を確認して対応する面を使ってください
■縮尺の表記
■三角スケールの対応面
「1/100m」とは、図面の1cmは実物で100cmということです。
図面によって縮尺が違うので、間違わないよう注意してくださいね
② 立面図から高さを出す
続いて、立面図から各階の高さを出します。
立面図に「○階軒高」という表記があったら、それが高さです。
この図では1階高さ=3.02m、2階高さ=2.7mでした。
もし数値が書いてない場合は、三角スケールで測ってください。
※「基礎高」計算には含めないようご注意ください。建物の基礎コンクリート部分なので塗装しません。
③ それぞれの階数の面積を出す
各階の外周×高さで、外壁全体の面積を計算しましょう。
例: 1階外周(35m)×1階高さ(3.02m)=105.7㎡ 2階外周(37m)×2階高さ(2.7m)=99.9㎡ 105.7㎡+99・9㎡=205.6㎡ このお家の場合は、外壁全体の面積は205.6㎡となります。 |
④ 塗装しない部分の面積を出す
次に、窓やドアなど塗装しない部分を計算します。
4方向の立面図すべてを使って、窓とドアのサイズ・数を調べます。
この図では、同じサイズの窓は同じ色にして分かりやすくしています。
掃き出し窓 |
4ヶ所(赤) |
(W1.8m×H2.1m)×4=3.78㎡ |
腰高窓 |
6ヶ所(黄) |
(W1.8m×H1.0m)×6=10.8㎡ |
飾り窓 |
4ヶ所(青) |
(W0.7m×H1.0m)×4=4.2㎡ |
その他の窓 |
5ヶ所(橙・緑) |
(それぞれの寸法で計算)1.08㎡ |
窓の数合計=19か所
窓の面積合計=19.86㎡
玄関ドア |
1ヶ所 |
(W1.0m×H2.3m)×1=2.3㎡ |
勝手口 |
2ヶ所 |
(W0.8m×H2.0m)×2=3.2㎡ |
ドアの数合計=3か所
ドアの面積合計=5.5㎡
⑤ 全体の面積から、塗装しない面積を引く
③で出した外壁面積から、④の面積を引き算します。
例:205.6㎡‐19.86㎡-5.5㎡=180.24㎡ |
⑥ ベランダ・バルコニー面の塗装面積を出す
あと少しです。
最初に含めなかった、ベランダ・バルコニーの壁の面積を計算します。
表面、裏面があるのでご注意ください。
この図だとベランダ外周=7.0mでした。
この図だと数字が書いていなかったため、三角スケールを使いました。
ベランダ高さ=1.2mでした。
例:ベランダ外周(7.0m)×ベランダ高さ(1.2m)×裏表(2)=16.8㎡ |
これがこのお家のベランダの壁面積です。
⑦ 全体面積にバルコニー部分をプラスして、完了
いよいよ最後です。
⑤の外壁塗装面積と、⑥のベランダ面積を合計します。
例:180.24㎡+16.8㎡=197.04㎡ |
こちらが、図面から計算したこのお家の塗装面積となります。
(参考)坪数で見る塗装面積早見表
計算するのは面倒くさい、だいたいの概算がわかれば良いという方は、こちらの一覧をご確認ください。
■坪数で見る塗装面積の目安 2階建て住宅の場合
坪数(延べ床面積) |
塗装面積(外壁)/㎡ |
20坪(132.4㎡) |
145.6㎡ |
25坪(165.5㎡) |
182㎡ |
30坪(198.6㎡) |
218.4㎡ |
35坪(231.7㎡) |
254.8㎡ |
40坪(264.8㎡) |
291.2㎡ |
45坪(297.9㎡) |
327.6㎡ |
50坪(331㎡) |
364.1㎡ |
※注意!あくまでこれは概算です。
平均的なものであり、実際のお家の面積とは大きくずれが出る可能性が高いです。
単なる目安としてご覧ください。
外壁塗装の見積もりを出してもらうときは、必ず業者に実測または図面から算出してもらいましょう。
▼今回の例で発生した差
図面から出した②を正確なものとすると、①は約11㎡、③はなんと約51㎡も違いが出てしまいました。
このように、概算はあくまで目安にしかなりませんので、ご承知おきください。
見積から正しい面積を知るための3ポイント
すでに業者から見積もりを取っている場合、「ここに書いてある面積は正しいの?」「2社で数字が全く違うんだけど…」ということもあるかもしれません。
そんな時にチェックしていただきたいポイントを3つご紹介します。
家の特徴が考慮されているか
お家の塗装面積は、お家の形状やデザインに左右されます。
建坪は同じでも、塗装面積は全く異なるということは当然あります。
塗装面積に大きく影響するお家の特徴は以下の通りです。
■家の形が複雑(シンプルではない)
最もシンプルなお家とは、凹凸の無い箱型のお家です。
お家の形が凹凸に富んで複雑になると、外周が増えるため、外壁の㎡数も多くなる可能性があります。
■ベランダ・バルコニーが広い
ベランダもお家によって大きな差があります。
ベランダは表面・裏面があるため、ベランダのサイズによって塗装面積に差が出やすいです。
■窓のサイズと数
窓やドアなど開口部は塗装をしません。
そのため、大きな窓があるお家や数が多いお家は塗装面積が少なく、窓が少ないと塗装面積は増えることになります。
■外壁にタイルの箇所がある
タイル外壁は塗装をしません。
そのため、外壁の一部にタイルを使用しているお家の場合、そこは塗装面積から差し引きます。
特に玄関周りにタイルをあしらっているお家も多いので、確認しておきましょう。
3社から相見積もりを取る
正しい面積か不安があるときは、相見積を取るのも一つの手段です。
通常、業者によって算出方法は異なるものなので、完全に一致することはなかなかありません。多少の違いは必ず出ます。
ただ、1社だけ極端に大きい・小さいというものがあったら気づくことができます。
悪い業者の場合、塗装面積を大きく見せて料金を引き上げようとしている可能性も考えられます。
逆に、少ない面積で出されて、工事が始まってから「塗料が足りません」と追加請求をされても困りますよね。
適切な面積を出すことは、適正価格を判断するうえでも重要です。
業者に「何故この面積か?」を聞く
不安に思ったときは、率直にどうやってこの面積を出したのか聞いてみましょう。
きちんとした業者であれば、算出方法などを説明してくれます。
逆に、坪数から出しました、このくらいのお家なら大体こんなもんですから、と根拠がない場合や、説明を渋る場合には要注意です。
そのような業者はあまり信頼できるとは言えないので、避けたほうが良いでしょう。
大切なお家のことですから、面倒くさがらずに丁寧に対応してくれる業者を選びましょう。
より正確な見積は現状診断してもらうこと!
正確な面積を出してもらうことと同じくらい重要なのが、「お家の現状を診断したうえで見積もりを出してくれるか」ということです。
塗装工事は、ただ塗料を塗るだけではいけません。
塗装だけでは直せないひび割れや傷みがあった場合、その適切な修繕がされていなければ、お家に水が入るなどして不具合が起こってしまいます。
“お家を長持ちさせる”ための塗装の見積もりは、図面だけでは作れません。
必ず今のお家の状態を点検診断してもらいましょう。
まとめ
外壁塗装の面積を出す方法として、簡易的なものから詳細なものまで解説してきました。
ご自身が必要とするレベルに合わせて方法を選んで実践してみてください。
お家は一軒一軒すべて違うものです。
面積はもちろん、見積もり時にはお家の現状も点検診断したうえで、正確な金額を出してもらってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。