- 2024.04.05
- その他
適正価格が分かる!ウレタン防水の単価相場と4つの見積りチェック
防水工事を検討中のあなた。
業者が持ってきたウレタン防水の単価が適正なものなのか分からず調べているのではないでしょうか。
一言で「ウレタン防水」と言っても工法によって単価は変動します。
また工法は施工環境に合わせて適したものを選ぶことが重要です。
そこで、この記事では、工法別のウレタン防水工事の単価を見積もりサンプル付きでご紹介します。
さらに、これから相見積もりを取った際に役立つ、見積もりチェックポイントと優良業者の選び方も解説しますので、丁寧な対応をしてくれる業者を見極めていきましょう。
この記事を読めばウレタン防水の適正単価や優良業者を選ぶポイントが分かり、失敗や後悔のない工事にすることが出来ますのでぜひ最後まで目を通してみてください。
目次[非表示]
【見積もりサンプル付き】ウレタン防水の単価相場
ベランダ防水は5,000~11,000円/㎡
一般的な戸建て住宅のベランダは、10年前後でウレタン防水工事を行います。
なかでも「密着工法」という施工方法がスタンダードで、単価相場は5,000~11,000円/㎡です。※10㎡以上の場合
耐用年数はおよそ10年です。
【密着工法】
密着工法は、既存の下地に下塗りを行い、直接ウレタン防水材を塗っていく工法です。
この方法は工期が比較的短く、費用も手ごろです。
施工前に下地をしっかりと乾燥させることが必要なため、ベランダなどの狭い面の施工に適しています。
防水材の前に補強布を貼り込む場合は「メッシュ工法」とも呼ばれます。
※ベランダが雨漏れを起こしている場合は、密着工法では膨れなどの不具合が起きる可能性があります。
その場合は、次章の通気緩衝工法をご覧ください。
▼ウレタン防水密着工法の見積もり例
屋上防水は7,000~12,000円/㎡
雨漏れしているベランダや、屋上防水などは、「通気緩衝工法」をおすすめします。
下地に水分が含まれてしまっていても、専用のシートや脱気筒によって湿気を逃がしてくれるからです。
単価相場は7,000~12,000円/㎡です。※10㎡以上の場合
密着工法と比べると少し高いですが、耐久性も10~15年と少し長いです。
【通気緩衝工法】
防水材の下に通気緩衝シートを貼ります。湿気の通り道をつくってくれます。
湿気が出ていく「脱気筒」も取り付けます。
▼ウレタン防水通気緩衝工法の見積もり例
その他必要な作業の単価一覧表
防水工事はいくつかの細かい工程も含んでいます。
それぞれの作業と費用もまとめましたので、見積もりを見たときの参考にしてください。
●防水工事に必要な作業と費用の一覧表 | |
高圧洗浄 |
200~300円/㎡ |
下地処理 ゴミや砂ほこりを清掃します。 |
200円/㎡ |
下地補修 膨れがある場合など、膨れた部分を撤去し平らにします。 |
200~300円/㎡ |
改修用ドレン設置 ドレン…防水層に水が溜まらないよう雨どいなどに繋がっている集水口。 |
15,000円/箇所 |
脱気筒設置 (通気緩衝工法) 湿気が逃げていくための空気の出入り口です。 |
10,000~12,000円/箇所 |
発生材処分費 工事で発生した材料の処分費です。 |
10,000~30,000円 |
管理費 |
10,000~30,000円 |
諸経費 荷下ろし代などです。 |
10,000~30,000円 |
足場仮設 |
800~1,600円/㎡ |
※各項目は、工事の状況に応じて発生します。すべての工事に全項目が必要なわけではありません。
損しないための見積もりチェックポイント4つ
ウレタン防水の費用は、単価だけではなく見積書全体をチェックすることが大切です。
特に知っておいてほしいポイントを4つご紹介いたします。
☑相場にあった単価である
☑工法の記載がある
☑工程の記載がある
☑材料名の記載がある
相場にあった単価である
お見積り単価は、相場内に収まっていますか。
相場より高い場合、中間マージンがかかっている可能性があります。
施工を依頼した会社が、工務店や管理会社などの下請け・孫請けに依頼している場合、中間マージンが発生することがあります。
ウレタン防水の単価だけでなく、管理費や諸経費が適切に設定されているか確認しましょう。
相場より大幅に低い場合は、工程が省かれている危険性があります。
見積もりに各工程が適切に表記されているかを確認しましょう。
工法の記載がある
見積もりに「密着工法」や「通気緩衝工法」などの工法の記載があるかチェックしましょう。
ベランダ防水の場合、「密着工法」が問題ないことが多いですが、雨漏りしている箇所では「通気緩衝工法」が必要になることもあります。
したがって、見積もりに適切な工法が記載されているかどうかを確認することが重要です。
もし見積書に工法の記載がない場合は、業者に直接工法の確認をして、状況に合った工法が記載された見積もりを依頼しましょう。これにより、後々の不具合・トラブルを防ぐことができます。
工程の記載がある
見積もりに各工程の記載があるかどうかも確認しましょう。
ウレタン防水工程の場合、以下の工程が通常含まれます。
・下塗り(プライマー)
・中塗り(主剤1回目)
・中塗り(主剤2回目)
・上塗り(トップコート)
これらを確認することで、見積もりに必要な工程がすべて含まれていることがわかります。
特に、上塗り(トップコート)が施工された後は下塗りや中塗りの状態は見えなくなるため、きちんと施工されたのか後から確認が難しくなります。契約前に工程を把握しておくことが重要です。
もし見積書に工程の記載がない場合は、工程を省いて金額を安く見積もっている可能性があります。
相場より安い見積もりの場合は、工程の確認を行い、必要な工程がすべて含まれているかを確認しましょう。
☆改修用ドレンは「塗装」ではなく「新規設置」と記載されているか確認しましょう!
改修用ドレンは防水層と雨どいをつなぐ集水部分に使われます。
経年劣化により錆びると、結合部分が剥がれてしまい、雨水の流れが阻害されます。
そのため、結合部分を改修用ドレンでカバーし、水の流れを確保する必要があります。
一部の業者は塗装だけで見積もりを提示することもありますが、ただの塗装ではドレン自体の改善にはなりません。
したがって、新規設置をおすすめします。
使用する材料名の記載がある
使用する材料名が記載されているかどうかを確認しましょう。
どのメーカーのどの材料を使用するのか、記載があると安心です。
材料名が記載されていれば、事前にインターネットでその材料の特性を確認することができます。
また、工事が始まった際にも、きちんと適切な材料が使用されているかを確認することができます。
施工中も安心して任せられる業者の特徴
見積もりをチェックしたら、あとは業者の信頼性や施工品質を見極めます。
大切なお家の工事を任せられる優良業者を見つけましょう。
防水施工技能士の資格をもった職人が在籍している
防水施工技能士の資格を持った職人が在籍している業者は、品質と金額の両面で多くのメリットがあります。
防水施工は専門的な工事であり、誰にでも優れた仕事ができるわけではありません。
そのため、防水施工技能士の資格を持っているということは、専門知識と技術があり、高品質な仕事を期待できる可能性が高いということです。
さらに、資格を持っている業者は下請けに工事を委託する必要がなく、自社で施工を行うことができます。
このため、中間マージンが発生せず、費用を抑えることができます。
契約をする前に、業者が自社施工を行うかどうか、どのような職人が作業に携わるのかを確認することが重要です。
工程ごとに報告・説明をしてくれる
ウレタン防水工事は工程を省いても後から見ては分からないため、職人だけでなく現場監督などによる各工程の確認が重要です。
そのため、その日の作業内容・進み具合を分かりやすく報告してくれるような管理体制の会社が最も安心です。
以下の点を確認してみましょう。
・工事中、現場監督は確認に来るのか?
・確認がある場合、どのような形で説明があるのか?
施工中の管理体制も重要なポイントですので、事前に確認しておきましょう。
施工中の写真をくれる
施工中の写真は、職人にとっては手間ですが、お客様からすると工程の進行状況や品質を確認できる大切なものです。
施工中の写真の提供がサービスに含まれている業者は、最初から各工程の写真を撮ることを考慮しているため、信頼性が高く、きちんとした施工を期待できる可能性があります。
写真をもらえるかどうかは、業者選びの際にぜひ確認しておきましょう。
防水工事を行う業者は多くありますが、全てが優良業者とは限りません。上記の特徴を把握し、信頼性の高い業者を見極めてくださいね。
防水を長く持たせるためには定期的なドレンの清掃を!
ドレン(排水溝)にゴミや落ち葉などが溜まると、雨どいに水が流れず防水層の上に長くとどまり、防水の劣化が進んでしまう可能性があります。
屋上やベランダなど、出入りが可能な場所であれば、定期的に(例えば3か月に1回など)ゴミを取り除くことが重要です。
定期的な清掃によって水の流れを確保することが、防水層の寿命を延ばすポイントとなります。
まとめ
いかがでしたか。
ウレタン防水の単価相場は、工法によってやや異なります。
密着工法で5,000~11,000円/㎡、
通気緩衝工法で7,000~12,000円/㎡
ほどが相場です。※10㎡以上の場合
ただ、適切な工事かどうかは単価だけでは判別できませんので、必要な作業項目などもきちんと含まれているか見積書の全体を確認するようにしましょう。
また、業者選びも大切なポイントです。
ウレタン防水を安心して任せられる業者を見つけるために本記事がお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。